私塾「花草舎 KaSoSha」

花草舎はともに学びながら成長するコンサル的私塾です。政治・金融・医療から起業に至るまで幅広いビジネス分野を対象にしています。

小さいことを見逃さない政治と行政が必要

私塾「花草舎」塾頭の九兵衛です。

 

1000-2000万人の小規模企業や中小企業の従事者世帯の有権者が1.5人世帯とすると浮動票は日本を左右する有権者層です。

政府の中小企業や小規模企業への政策対応はおざなりです。経産省傘下の中小企業庁と商工会議所連携くらいですね。大企業は国があまり口出しする必要もないので、経産省は中小企業・小規模企業が本筋で、大企業庁を傘下に持つ方が正しいと思えます。

 

「規模で判断をすると大きな間違いを生む」ということを理解していないのは現状認識が甘いと言わざるを得ません。

特に、小規模企業の実態はというと。

  • 大企業の優秀な若手人材がスピンアウトして独立する
  • 大企業の幹部職だったシニア人材が老年起業する
  • 海外留学や外資系企業で腕を磨いた人材が起業する

などが、どんどん増えています。つまり、思考能力や判断能力が高く問題意識のある層なのです。

彼らは起業するといろいろな場面で制度の不都合を発見します。

  • 社保から国保に切り替えて分かった医療保険制度の不都合
  • 飲食店を開業して分かった飲食業免許の不都合
  • 申請して分かった国や地方自治体の補助金制度の不都合
  • あらゆる場面で経営効率の生産性を阻害する行政手続きの不都合

などなど。

このような問題意識の中で、「一律10万円の給付金を」「子育て支援金を」というような野党連合の政策が「子供じみて馬鹿げている。他にやるべき事があるだろう」という不満と不信感につながります。

そもそも「自分たちは野党だから」連携すべきだ、「野党だから」与党を追求すべきだ。という発想の根本が敗因です。なぜならば「自分たちが野党だと認めてしまっている」からです。つまり、政策や政党綱領に自信がないことの裏返しです。

 

話を元に戻すと、「意識が高く知見も豊富な小規模企業の浮動票」はますます数を増やして行きます。小さい変化でも、振り返れば大きくなるのもあっという間だったね。そう言うことはあるわけです。

塾頭もいくつも経験していますが、そのうちのひとつが今流行りのSDGsです。

2000年に社会的責任投資(SRI)ファンドを作りました。私は機関投資家の責任者として兆円単位の資金を運用していました。大規模資金の投資は単なる利益追求だけではなく、社会の好循環を生む呼び水である必要がある。これがそもそも考え方です。聞いたこともないようなファンドの考え方ですが、積極的に賛同してくれたのが当時、日立キャピタルの社長をしておられた花房正義さんでした。企業側として社会的責任を果たす動きが必要と判断し、CSR(企業の社会的責任)を推奨され、上場企業に続々とCSR部門が誕生しました。その流れは10年後にはCSV(企業だけが果たす対立関係ではなく、生態系として共創していく)という考え方に変化します。これらの動きを最初から注目し、各国が政策目標とできるようレベルを引き上げようと動いたのが国連です。国連が推奨するSDGsにはこのような経緯があります。もっとも、私がすべてのきっかけを作ったわけではなく、英国や米国などの機関投資家ファンドマネージャー同士の協調がベースにありました。

 

このように、「小さい規模や小さい変化を馬鹿にするのではなく、そこにこそ未来へのヒント」があることを今の政治家や行政は注目しなければなりません